マンションの維持費はローン返済後も一生払い続ける固定経費って知っていますか?
マンションの維持費ってローン返済とは別に毎月払い続けなくちゃいけない固定費。しかも、ローンは返済期間が終われば支払いが終わるけど…マンション維持費はマンションを所有している限りずっと払い続けなくてはいけないと知ってマンションを購入していますか?
マンションを購入すると、毎月のローン返済以外に
①管理費
②修繕積立金
③固定資産税
④駐車場・駐輪場代
の支払いがあります。
今の家賃と変わらない金額でマンションが買えますよ!!
営業マン
なんてセールストークには、99.9%このマンション維持費が入っていませんからね。要注意ですよ!?
やれやれ、やっとローン返済が終わった~~~
なんて喜んでばかりいられません。ローン返済が終わった後も毎月数万円の維持費支払いが続くわけですからね。一般的なマンションだとその維持費は毎月4~5万円とも言われています。
年金生活になっても、その維持費ずっと払いつづけられますか?
しかも、固定資産税は築年数が経つごとに安くなっていきますが、それ以上に修繕積立金は高くなっていきますからね。このマンションの維持費をしっかりと資金計画に入れておくためにも、何にどれぐらい必要なのか、購入前にこの記事を読んでしっかり把握しておきましょう!
マンション維持費①管理費
マンション維持費の1つ目は、管理費。
マンションの管理に関する費用なんですが、管理にも自主管理と委託管理があります。
■自主管理・・・マンション管理組合の組合員で管理する
■委託管理・・・管理会社に委託して管理する
自主管理より委託管理のほうが管理費は高くなるケースがほとんどです。
あの、マンションの管理って一体何をするんですか?
管理とは大きく分けて2つのマンションメンテナンスのことを言います。1つは日常的な清掃のこと、もう1つは1~数年ごとに行われる点検・交換等のメンテナンスを行うこと。
じゃあ、管理費からその清掃代と点検代が支払われているんですね?
その通り!管理費から、マンションの共有部分(エントランス・廊下・エレベーター・駐車場・屋上・その他設備等)の清掃代、それ以外にも共有部分の電気代、固定資産税、保険代、定期点検代、それに町内会費などの費用が支払われていますよ。
もちろん、共有部分の設備が多いほど管理費は高くなるし、管理会社によっても金額は違いますし、委託している管理業務内容によっても金額は大きく変わってきます。
なので単純に
「管理費が高すぎる。。」
「管理費安いからラッキー♪」
「高い管理費払っているから最高の管理のはず!」
とはなりませんのでご注意を。
マンションの管理とは?管理組合って何?といった疑問にはこちらの記事をどうぞ▼
マンション維持費②修繕積立金
マンション維持費の2つ目は修繕積立金。
その名の通りマンションの修繕に関する費用のための積立金になります。
あの~マンションの修繕ってどんなことをするんですか?
マンションは一戸建てとは違い様々な設備が備わっています。例えばエレベーターとか、オートロックとか、機械式駐車場とか、貯水槽とか、給排水管とか、非常階段とか。。もっともっとあります。
こういった設備には当然メンテナンスが必要です。
エレベーターなどは法令で定められた定期点検も行わないといけません。しかも、費用はかなりかかります。
放置していると排水管なんて詰まってしまうケースもあるので、高圧洗浄で一気に水を流して排水管の内側を掃除したりします。
でも、そんな金額いきなり「払え!」って言われても払えないですよね?なので、毎月毎月、各住戸から決められた金額を徴収して積み立てていくわけです。それが修繕積立金。
修繕積立金は管理組合(に委託された管理会社)が計画した長期修繕計画によって、『いつ頃にどれぐらい必要か?』という試算のもと金額が決まります。
新築分譲時にはこの修繕積立金がかなり低めに設定されて売り出されるため、後の大規模修繕を行う時には積立金が不足しているマンションが多くありますので、修繕積立金が低すぎるマンションは要注意ですよ。
国土交通省が推奨する修繕積立金の適正価格はこちら▼
住戸数200戸以上のような大規模マンションでしたら178円/㎡(月)となりますが、よくある総住戸数30~60戸ぐらいのマンションでしたら218円/㎡(月)になってしまうので、70㎡ほどのマンションですと約15,000円。
※タワーマンション(20階以上)になると住戸数が多くても修繕積立金は逆に高額になってきますので注意!!
新築分譲時の修繕積立金なんて5,000円ほどの設定ですから、
どれぐらい足りないのか? そのしわ寄せが後にやってくる!?というのは簡単に想像できますよね?
マンションの寿命を左右する長期修繕計画についてはこちら▼
修繕積立金は安いほうが良いなんて考えていませんか?危険ですよ?その理由はこちら▼
マンション維持費③固定資産税
マンション維持費の3つ目は固定資産税。
この維持費については確かに一戸建てでもかかる費用です。でも、固定資産税は
■土地代
■建物代
の両方にかかってきますから、当然立地の良いマンションのほうが固定資産税が高くなるケースが多いですね。さらに、マンションは鉄骨(鉄筋)コンクリートの建物なので、法定耐用年数が47年。建物価値が47年かけて0(ゼロ)になっていくわけです。つまり47年間税金がかかってくる。
一方、一戸建ては木造であれば法定耐用年数は22年。例えば2,000万円で家を建てると22年後には家(建物)価値は0(ゼロ)なので、税金がかかりません。(本当は少し違いますが説明するために簡易計算しています。)
一般的に『固定資産税』と呼ばれている税金って実は、
■固定資産税
■都市計画税
の2つから成ります。
各税金の計算方法はこちら▼
固定資産税 | 固定資産税評価額×1.4% |
都市計画税 | 固定資産税評価額×0.3% |
※固定資産税評価額は各市区町村が決めます。
さらに住居用の土地や建物には、固定資産税・都市計画税の軽減措置が設けられています。
マンションの場合、新築から5年までは建物と土地の税額に軽減措置が設けられて、築6年目からは建物の軽減措置が無くなり土地のみ。
固定資産税 | 都市計画税 | |
建物 | 軽減なし | 軽減なし |
小規模住宅用地(一戸あたり200m2までの部分) | 土地の課税評価額が1/6に軽減 | 土地の課税評価額が1/3に軽減 |
ちなみに、とあるマンションの固定資産税&都市計画税がこちら▼
①土地の課税評価額
②固定資産税:土地の課税評価額1/6に軽減
③都市計画税:土地の課税評価額1/3に軽減
④建物の課税評価額
⑤固定資産税:建物の課税評価額軽減なし
⑥都市計画税:建物の課税評価額軽減なし
※カ:共有土地按分税額は土地全体の税額を持ち分で按分して算出しています
建物も築30年超(昭和62年築)、しかも地上階5建てのエレベーターなしマンションのため建物評価額は通常の14階建てマンションより相当低め、土地の評価額もかなり低いほうですが……それでもこの金額。
マンション維持費④駐車場代・駐輪場代
マンション維持費の4つ目は駐車場代や駐輪場代。
この維持費に関しては、車を持っていない方には関係ありませんよね。ただ、最近は自転車でも駐輪場代を徴収するマンションも増えてきていますので、持っている台数分の費用がかかってきます。
1台当たり300~500円ぐらいが多いようです。でも、土地代に比例してくる立地によってはもう少し高いかもしれません。1,000円のところもありますよ。
機械式駐車場の場合、設備の寿命は20年ほどになります。修理等で多少延命できたとしてもいずれ設備の入替が必ず必要となります。その時にもまた費用がかかりますから、
☑長期修繕計画の中で機械式駐車場の入替が計画されているか?
☑入替費用は修繕積立金から支出するのか?
☑それとも入替費用は毎月徴収する駐車場代を貯めておいて支出するのか?
といったポイントは絶対に確認しておきましょうね!
マンションの維持費はかなり高い
こうやって1つずつ見ていくと、マンションの維持費ってけっこう高くないですか?
①管理費:15,000円(←一般的には10,000~20,000円ぐらいの金額帯が多いので)
②修繕積立金:15,000円(←最低額。築年数が経つともっと上がるかも?)
③固定資産税:10,000円(←年々金額は低くなっていきますので、平均で)
④駐車場代:?円(←この金額は本当に立地により差額が激しいので分かりません。。)
駐車場代を考慮しなくても40,000円。駐車場代入れたらもっと!!でもこの金額には、室内のメンテナンス費用は入っていません。
☑給湯器の交換
☑レンジフード(キッチンの換気扇)の交換
☑ガスコンロの交換
☑水回り設備の水栓等の交換
☑網戸の張替
☑壁紙や床材の汚れや剥がれによる張替
なんかも10~15年ぐらいで発生してきますから、そこは修繕積立金とは別にお金をプールしておく必要がありますよ!
マンションの維持費は一生払い続けます
住宅ローンの返済とは違い、このマンション維持費は住戸を所有する限り一生払い続けないといけないんですよね。
あ~~~やっと住宅ローンの支払いが終わった!!
なんて喜んでいても、毎月4万円以上の支払いは一生続きます。35年ローンが終わったころには定年退職して年金生活になっている可能性高いですよね。
年金負け組の私たち世代に毎月この支払額はかなりの重み。
『老後2,000万円足りない問題』の試算でも、設定条件が持ち家は一戸建て、住居にかかる費用は月に15,000円ほど。マンションだとその設定条件を遥かに超えますから、試算結果も変わってきますよね?
じゃあ管理費と修繕積立金が安いマンションを選べばいいんじゃない?
いえいえ、そうじゃないんです。
マンションの修繕はマンションの寿命と直結する問題ですから、安ければ良いって訳じゃないのが難しい問題。
マンションの寿命と修繕の重要な関係についての記事はこちら▼
マンションを購入する前には
■立地
■価格
■管理(修繕)
という点をしっかりと考察してくださいね。
特に管理(修繕)については、あなた一人の考えでなくマンション住民全員で考え話し合い決めていくものですので、管理規約や長期修繕計画、管理組合理事会議事録などをしっかりと確認することをおすすめしますよ。
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