イライラするからもっと増やして!でもマンションのエレベーター問題は奥が深いのよ。
「この前ね、うちのマンションのエレベーターに乗ったらさぁ、、、上の階から乗っていた人に言われたのよね、、、自分が住む階より上層階から降りてくるエレベーターを止めるなって、、、」
お昼時間にランチをしていた私の耳に、突然、隣のテーブルで友人とランチしている女性の会話が飛び込んできたのです!
「おおおおお、これは噂のタワマンカーストでは?」
小躍りしたいぐらいの喜びをかみ殺し、平然な顔を装って聞き耳を立てるワタクシ。
女性:「ほら、私、最近タワーマンションに引越したじゃない?」
友人:「あ、そうだよね!」
女性:「住むまで知らなかったんだけど、うちのマンションってエレベーターが高層階と低層階に分かれてないのよね」
友人:「へ~そうなんだ!」
女性:「それで、この前外出する時何も考えず下行きのボタンを押して、上の階から降りてくるエレベーターに乗ったらさあ・・・」
友人:「うんうん」
女性:「上の階から乗っていた高層階の住民らしき人から、言われたのよねえ~」
友人:「エレベーターを止めるなって?」
女性:「そうそう。マンション内でそう決まったから張り紙もしてあるって。」
友人:「じゃあ、朝の通勤とか通学の時間帯って大変じゃない?」
女性:「そうなの~~~!!!あ~~~エレベーター増やしてくれたらいいのに。全然足りないわよ、あれじゃあ」
・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
そうですよね。
朝の混雑する時間に、エレベーターを持つほどイライラすることはありませんよね。
私は11階に住んでいた頃、タッチの差で10階に止まるエレベーターが下へ降りてしまった時には
ムキーーーーー!!!
とよくなりました笑。
でも、エレベーターの台数を増やすと、あなたの金銭的負担も増えることになります。
エレベーターは
イニシャルコストも
ランニングコストも
ともにかかる『お金がかかるやつ』だからなんですね。。。
住戸数に対する適正なエレベーターの台数
一体、住居何戸に対してエレベーター1台が適切と言えるのでしょうか。
実はそんなことを決めている法律はありません。
6階以上の建物はエレベーターの設置義務はあります。
31階以上のマンションには非常用エレベーターの設置義務はあります。
でも、
何戸に対しエレベーター何台
という決まりはないのです。
必死で探してみたところ、ひとつ参考にできそうなグラフを見つけました。
居住者数と階数とエレベーター速度による関係です。
あくまで参考レベルですが、ひとつの指標にはなるかもしれませんね。
実際のマンションを調べてみても・・・
■60世帯で1基
■90世帯で1基
■100世帯で1基
■105世帯で2基
■140世帯で2基
■175世帯で2基
■200世帯で3基
■270世帯で3基
■285世帯で3基
■300世帯で3基
う~~~んバラバラですね笑。
~100世帯:1基
100~200世帯:2基
200世帯~:3基
のようなザックリ感でしか把握できません。
もちろんメーカーに依頼すれば、物件ごとに
エレベーター交通計算
をしてくれますのでご安心ください♪←何の安心w
エレベーターにかかるランニングコスト
エレベーターを待つイライラした時間を考えると、エレベーターの台数が多いほうが便利ですよね。
私も賃貸マンションだったら、素直に
「もっとエレベーターの台数を増やせ~~~!!!」
と声高々に叫びます。
でも、分譲マンションでも同じように叫ぶかというと・・・
違います。
分譲マンションなので、エレベーターはマンション所有者全員の共用部分になります。
つまり、管理組合が管理する対象ですし、その維持管理費はマンション住民である自分たちが支払います。
と言うことは・・・
エレベーターの設置費用はマンションの販売価格に上乗せされているってこと。
日々のメンテナンス(保守・点検)費用や使用電気料金は毎月の管理費で支払っているってこと。
要するに・・・
お金がかかっている
ということなんですね!
便利さの裏側にもいつも金です、金!!
そして最もやっかいな問題が、、、
エレベーターの交換費用。
エレベーターの寿命は25年程度です。
(知ってましたか?意外と短いですよね?)
そのため各エレベーターメーカーは、
「エレベーターの保守用部品は25年以上保管しない」
としています。
(2012年に各メーカーがこの内容を発表したので、これを2012年問題といふ。)
ということは、25年以上経過したエレベーターは故障しても部品がないため修理できない、ということ。
(実際はメーカー系保守会社はもう数年延長して部品を保管するみたいですが)
そのため、25年以上経過してくると、エレベーター自体を交換しなくてはいけないって訳なんです。
(全てのエレベーターが該当するわけではなく、型番により該当するものしないものがあります。)
正直、このエレベーター自体も価格があってないようなものです。
その後の定期点検もセットで契約するとうんと値引きしてくれたりします。
でも、その保守点検費用が高かったりする場合もありますので、要注意です。
費用の目安としてはこのようなものではないでしょうか?
■既存エレベーター全撤去リニューアル工事・・・1,200~1,500万円
■制御系機械のみ交換部分リニューアル工事・・・400~600万円
※一般的な6~10階建てマンションの場合です。冒頭に出てくるタワマンはも~~~っと高いです。
えええええ~~~~そんなに金額が違うの?
じゃあ、安いほうで!
と言いたいですよね?
そうですよね?
ワタクシもですw。
でも、無理な場合があるんです。
エレベーターが油圧式の場合。
エレベーターには油圧式とロープ式がありますが、現在、大手メーカーは油圧式エレベーターの新規製造を中止しているんですね。
なので、既存のエレベーターが油圧式の場合、油圧式へのリニューアル工事は不可能となります。
(一部可能な場合もありますが)
そのため、ロープ式エレベーターを新しく設置するしかありません。
しかも!!!
ロープ式へ新設する場合は、全撤去リニューアル工事よりさらに費用がかかるのです。
最低1,500万円から、というぐらい。
もちろんあなたの毎月支払う修繕積立金からその費用も捻出しますので、きちんとこういった交換費用が修繕計画に組まれている必要がありますよね?
でもね、、、
きちんとした修繕計画を立てておらず、積み立て金額が不足しているマンションは多くあります。
ほんと~~~に多いです。
(みんな読んでいます→本当は怖い!!ほとんど知られていないマンションの修繕積立金不足。)
「ウチは大丈夫!」
みんなそう思います。
みんなそう言います。
けれども、大丈夫かどうかは長期修繕計画を見てみないと誰にも分かりません。
マンションを買う前には
必ず
エレベーターの交換費用が長期修繕計画に組まれているかどうか、チェックしましょう。
(もう買っちゃった人は今すぐ管理組合の理事に確認してみましょうね。)
まとめ
いかがだったでしょうか?
確かにエレベーターの設置台数が多ければ、便利になりますね。
朝もイライラしなくて済みます笑。
でも、その代償として結構な金額のお金を支払うことになるんです。
新築時には、当然、販売価格に盛り込まれています。
普段の生活では、「管理費」として点検保守料を支払っています。
リニューアル工事の時には、積み立てられた修繕費から支払います。
便利さ
と
コスト
費用対効果を考え、バランスさせるしかありません。
マイホーム選びはどこまでいってもバランスが大切!!ウンウン。
あなたもマンションを買うつもりなら、エレベーターの種類と修繕計画は必ず確認しないと後悔するチェックポイントですよ。
(もう買っちゃった人もね~)
それでは、また!
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