50代からの住み替え、「今より駅近だから…」でマンションを選んではいけない。

 

マンション診断士の安山です。
今日はマンションに住み替えたい方、特に50代、60代の方に必見の内容です！

 

 

テーマは「今より駅近」「〇〇市だから安心」という価値観からの脱却です。

 

 

 

増えている50代、60代の一軒家からマンションへの住み替え、買い替え事例

 

こういう事例が最近増えています。

 

 

Aさんご夫婦（ともに50代）

Aさんご夫婦は20代で結婚し、その後子どもが生まれたことをきっかけに一軒家を購入。駅から徒歩だと20分程度と遠いけど、バスにのれば10分以内で駅につきます。子ども2人とも大学進学を機に親元を離れました。そんなわけでAさんご夫妻は老後の住まいについて考えるようになりました。

 

 

 

50代はローンを組むことのできるギリギリの年代ということで住み替え需要が多いようです。次いで退職金を見込んで買い替え、住み替える60代にもこういう需要は多いんですよ。

 

 

住み替えのご相談を受けた際に私は毎回最初こう言います。

 

 

価値観をアップデートしてください！家を買った時の価値観のままでは満足する住み替え先を見つけるのは難しいです。

 

 

 

「今より駅近」だからというマンションを探してはいけない！

 

 

住み替えの場合、今住んでいる持ち家を処分し、どれだけ費用を捻出できるかが大事なポイントです。

 

 

うちの家は徒歩だと駅から20分かかるけど、閑静な人気の住宅街なので希望金額で売れましたよ！いい場所に家を買って正解でした。

 

 

 

よかったです！でもそれこそが実は注意していただきたいポイントなんです。

 

 

 

えー、なんで？持ち家が希望価格で売れた。次は住み替え先を探します。順調だと思うんでけど…。

 

 

 

もちろん！順調です。水を差す話をしてすみません。

Aさんご夫婦の持ち家は確かに資産価値が高くいい場所に購入されています。ただこの感覚のままで次のマンションを探すとおそらく後悔します。それは戸建とマンションとでは求められる条件が全く違っているからです。

 

 

 

求められる条件？私たちの希望は…、夫婦2人だしこれから歳をとって足腰が弱くなるだろうから買い物しやすかったり移動に便利な駅に近いマンションです。駅近のマンションだったら将来的に子どもたちに譲ってなんらかの資産にしてもらえたらという狙いもあります。

今日だってちょうど不動産のチラシでいい物件がありました。今の家と同じ市内で駅から徒歩10分。家を売却したお金と貯金で買えそうな金額です。ここにしようと思うんです。

 

 

ちょっと待ってくださいーーーーー！

それです、それこそ注意していただきたいポイントで、価値観のアップデートが必要なことなんです。

 

 

 

えっ？？なんで？？

 

 

 

マンションで徒歩10分…むしろマイナスです！

 

 

 

まずマンションの場合、駅にいかに近いかで不動産の評価が大きく変わります。

 

 

 

はい、ですから徒歩10分の場所を選ぼうかと。

 

 

 

10分では遠いんです！！

たしかに「今の家」よりは格段に近くなっています。しかしながら不動産業界でマンションの駅近とは徒歩6分まで。それを超えた場合は駅近とはみなしておらずむしろ駅から近くない部類に入り、査定ではマイナスポイントになるんです。

 

新築マンションの場合であっても徒歩6分以内と7分以上の物件では売れ方が全く違んですよ。車を持たない共働きが当たり前な若い世代の夫婦がこぞって駅近マンションを買うからです。駅近マンションを買う今の若い夫婦は共働き、車を持たないというライフスタイルが多いんですよ。年下の人たちの感覚を知っておき、その感覚でいかないと失敗します。

 

 

 

えええええええええ！

ほんとですか！？

 

 

 

 

はい、だからそこの部分を価値観を入れ替えないといい物件にはたどり着かないんです。みなさん今より近くなれば徒歩10分でも15分でもOKってつい思ってしまうんですよね。

 

 

 

 

そもそも「いい家って？」

 

 

 

いや、でも待ってください。

いい家って何でしょうか？僕たちにとって住み良くて便利ならそれでよくないですか？そりゃ不動産業界で言えば駅近じゃないのかもしれないけど、僕たちが満足していたらそれでいいじゃないですか！！

 

 

 

もちろんです。最終的な満足度はお客様自身が決めることです。ただ思い出してください。Aさんご夫妻はなんのために住み替えるのかを。

 

 

自分たちの老後に備えて住みやすい家。それから子どもに資産を残すことです。

 

 

 

そこです！「資産になる家」をお子さんに残したいならば駅近であることにもっとシビアにならないと資産にならないんです。マンションはこの先Aさんのお子さんが済むかもしれないし、処分するかもしれません。処分は子どもさんか、はたまた未来のお孫になるかわからないけど、資産価値の低いマンションは処分に100%苦労します。

 

ちなみに、駅から徒歩6分以内でないと評価ポイントが下がると言いましたが、どの駅であるかも重要です。やはり需要のある沿線が評価が高いんですよね。

 

 

 

家の処分に困るケースもあります

 

 

Aさんご夫婦は幸いにして元の家が希望通りの価格で売ることができました。これはとってもラッキーなことです。資産価値の高いエリアで、土地も広く家の状態もよかったことが幸いしているのでしょう。

 

 

Aさんご夫婦のように住み替えを希望しているが、そもそも今の家が売れない場合も実は多いんです。ネックとなっているのは、場所が不便であること！

 

親世代は人口が増え、土地が足らない時代だったので結構な山を開拓し家を立てていました。「〇〇台」「△△ヶ丘」という高台の場所など典型的です。しかし今の時代は人口が減少しており、土地代は基本下がるんです。そうなると不便なエリアの資産価値は一気に落ち売ることすら困難になる場合も多々あります。

 

常に売りにでていて、常に売れないエリアというのも残念ながらあります。そういうエリアにある家は値段を下げても売れません。それなのに固定資産税は毎年払わないといけないから持っているだけでマイナス資産なんです。

 

ハッキリ言って、負債ですよね？

 

 

もしもそういう需要のないエリアに家があって、住み替えたいって場合はどうしたらいいと思いますか？

 

 

 

正直、売却の面ではどうしようもありません。足腰が弱って今の家に済むのがしんどいというギリギリまで住み続けてから家を処分することです。ただし売却益は見込めないマイナスになる恐れもあります。ですから次の家を買う資金のゆとりは望めないから賃貸で探すといいでしょう。

 

 

 

「〇〇だから安心！」の思い込みも危険

 

 

こういう話題になると、

 

 

「うちは〇〇市で人気のエリアだから安心！！」

 

 

とおっしゃる方が一定数います。

 

 

これも安心できないんですよ。例えば東京の世田谷区。閑静な住宅街での23区内でも人口が多く人気のエリアです。しかし世田谷区は南北に走る沿線がほぼなく実はそこまで便利ではないんです。山手線の近くなら資産価値も高いでしょう。でもそこから外に行くと、どんどん資産価値は下がります。実際、新築マンションは売れ残りも多いんです。

だから「世田谷区なら間違いない！」という思い込みがよくないってことです。

 

 

 

50，60代からの住み替えまとめ、価値観をアップデートする！

 

 

50代の夫婦が一軒家からマンションへの買い換える事例を元にお話しました。

2度目のそしておそらく最後のマイホーム選びだからこそ後悔する人がいませんようにという気持ちで書きました。

 

住み替え先が今より便利で手頃であればそれでいいじゃないか、という気持ちになるのはわかります。しかしながら老後や子どもへの資産という意味まで考えるのであれば、場所、特に駅近であることにはとにかくシビアになることが後悔しない住み替え選びの大きなポイントになります。

 

今の不動産業界の考え方を知り価値観をアップデートすること。これが後悔しないための大きな鍵となるでしょう。

 

 

 

追伸：

マンション選びで迷っている。不安があるという人はぜひ事前マイホーム診断サービスをご利用ください。事前マイホーム診断が何か気になる人は、まずお問い合わせからどうぞ。

 

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