2022年路線価発表！土地の評価が超２極化の日本の不動産事情、インバウンド需要で回復の兆しも！？

7月1日、とうとう2022年（1月1日時点）分の路線価が発表されました！

 

ただ、全体的には人流の増加などの期待が集まった観光地や繁華街などでプラスに転じたり、下げ幅が縮小したりした地点も多く、２年ぶりに前年を上回りました。全国32万地点の標準宅地は平均で前年に比べて0.5％上昇しました。

 

ただし！値上がりした地域と値下がりした地域との格差も広がっていましたので、単純に喜んでばかりはいられませんね。

土地の評価は超二極化しているのです。

 

 

路線価とは？

 

路線価は、路線（道路）に面する標準的な宅地の１平方メートル当たりの価額（千円単位で表示しています。）のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。

引用：財産評価基準書　路線価図・評価倍率表

 

 

 

路線価の全国平均は２年ぶりに前年比０．５％上昇

 

全国平均は２年ぶりに上昇の＋0.5％。

 

都道府県別では20都道府県が上昇。ちなみに前年は7都道府県。3倍近く増えました。下落は27県。

最も上昇率が高かった北海道。前年比4.0％上昇でした。昨年の1.0％から上げ幅も拡大。下落率が最も大きかったのは和歌山県で、1.3％のマイナス。

 

都道府県庁所在地でみると、上昇したのは横浜や名古屋、京都などの15都市となり、21年の8都市から2倍近くに増加。一方、下落したのは16都市で、昨年の22都市から減少。横ばいは16都市。

 

リモートワークの浸透による郊外の住宅地の需要が増え、路線価が上昇した地点が多かった印象です。その一方で、都心のオフィス需要は減り、都心オフィス街の路線価は昨年に引き続き下落という結果でした。

□東京都千代田区丸の内2：マイナス1.3％（前年マイナス1.1％）

□中央区八重洲1：マイナス1.3％

 

 

 

上昇した2022年都道府県庁所在都市の最高路線価

 

では、上昇した都道府県庁所在都市を上昇率順にご紹介します。

都市名	最高路線価の所在地	2022年 （千円）	2021年 （千円）	2022年 （％）	2021年 （％）
千 葉	中央区富士見２丁目 千葉駅前大通り	1,240	1,180	5.1	3.5
札幌	中央区北５条西３丁目 札幌停車場線通り	6,160	5,880	4.8	2.8
広島	中区胡町 相生通り	3,290	3,180	3.5	▲3.3
宇都宮	宮みらい　宇都宮駅東口駅前ロータリー	310	300	3.3	3.4
さいたま	大宮区桜木町２丁目 大宮駅西口駅前ロータリー	4,400	4,260	3.3	0.0
京都	下京区四条通寺町東入２丁目御旅町 四条通	6,730	6,530	3.1	▲3.0
横浜	西区南幸１丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り	16,560	16,080	3.0	3.1
山形	香澄町１丁目 山形駅前大通り	175	170	2.9	0.0
仙台	青葉区中央１丁目 青葉通り	3,390	3,300	2.7	3.8
福島	栄町 福島駅前通り	195	190	2.6	▲2.6
佐賀	駅前中央１丁目 駅前中央通り	205	200	2.5	2.6
富山	桜町１丁目 駅前広場通り	500	490	2.0	0.0
大津	春日町 ＪＲ大津駅前通り	275	270	1.9	▲1.8
岡山	北区本町 市役所筋	1,500	1,480	1.4	0.0
名古屋	中村区名駅１丁目 名駅通り	12,480	12,320	1.3	▲1.3

参照：国税庁ホームページ【https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/rosenka/01.pdf】

上昇率は１位千葉市、２位札幌市、３位広島市となりました。

リモートワークの浸透により働き方が大きく変化し、「より都心部へ」ではなく「都心部にも通いやすいほどよい郊外へ」といった住宅需要が路線価を押し上げている印象を受けます。

また、入国緩和によるインバウンド需要などの人流の増加などの期待が集まった観光地や繁華街などでプラスに転じているようです。

 

下落した2022年都道府県庁所在都市の最高路線価

 

16都道府県庁所在地は下落。

インバウンド需要に支えられていた地域の2021年路線価は大幅な下落となりましたが、どうやら下げ幅は縮小されてきたようです。

では、下落した都道府県庁所在都市を下落率順にご紹介します。

都市名	最高路線価の所在地	2022年 （千円）	2021年 （千円）	2022年 （％）	2021年 （％）
神 戸	中央区三宮町１丁目 三宮センター街	4.900	5,200	▲5.8	▲9.7
鳥 取	栄町 若桜街道通り	100	105	▲4.8	0.0
大 阪	北区角田町 御堂筋	18,960	19,760	▲4.0	▲8.5
金沢	堀川新町 金沢駅東広場通り	890	920	▲3.3	▲4.2
高 松	丸亀町 高松丸亀町商店街	350	360	▲2.8	0.0
津	羽所町 津停車場線通り	190	195	▲2.6	▲2.5
盛岡	大通２丁目 大通り	225	230	▲2.2	▲8.0
水戸	宮町１丁目 水戸駅北口ロータリー	220	225	▲2.2	0.0
甲府	丸の内１丁目 甲府駅前通り	260	265	▲1.9	▲3.6
熊 本	中央区手取本町 下通りアーケード	2,060	2,100	▲1.9	▲0.9
長野	大字南長野 長野駅前通り	280	285	▲1.8	▲3.4
静 岡	葵区紺屋町 紺屋町名店街呉服町通り	1,140	1,160	▲1.7	▲4.1
奈 良	東向中町 大宮通り	690	700	▲1.4	▲12.5
東京	中央区銀座５丁目 銀座中央通り	42,240	42,720	▲1.1	▲7.0
鹿児島	東千石町 天文館電車通り	900	910	▲1.1	▲1.1
那 覇	久茂地３丁目 国際通り	1,420	1,430	▲0.7	▲1.4

参照：国税庁ホームページ【https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/rosenka/01.pdf】

下落率のTOP3は、１位神戸市、２位鳥取市、３位大阪市、となりました。

津市も奈良市も下落ですから、京都以外の関西はなかなか厳しい現状ですね。戻りが遅いようです。関西の経済は思った以上にインバウンドで支えられていたという事実が見えてきますね。

 

2022年路線価発表・・・まとめ

 

あなたが住んでいる家の前の路線価、見てみたくなりましたか？

 

2022年路線価は、全国平均では2年ぶりに0.5％上昇。都道府県別では20都道府県が上昇でした。下落は27県。

37年連続で日本一となった東京都中央区銀座５の「鳩居堂」前は１平方メートルあたりの価格が4224万円。過去最高だったバブル直後（1992年）の3650万円を上回るも２年連続で下落という結果に。

ただ、横浜や名古屋、京都などの15都市が上昇となり、21年の8都市から2倍近くに増加しました。一方、下落したのは16都市で、昨年の22都市から減少していました。住宅需要によるほどよい郊外、インバウンド効果の期待による観光地や繁華街などを中心に、徐々に回復の兆しも見えてきたようです。

 

日本の土地の評価は超2極化しています。

 

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