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住宅の断熱材は吹き付け硬質ウレタンフォームだったら本当に暖かいのか?

 
断熱材の種類
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普段、私は注文住宅で外装や内装のコーディネートを担当していますが、モデルルームの見学や完成見学会などでよく質問される内容がコレ。

 

断熱材は何を使っているんですか?

みなさん断熱材の種類がとても気になるようです。

 

でもですね、私は声を大にして訴えたいのです。

どんなに性能の高い断熱材でも、隙間なく施工しなければ断熱効果は驚くほど低下してしまいます!

ヤスヤマ

つまり、断熱材の種類よりも隙間なく施工するほうがはるかに重要なのです。

 

 

断熱材の種類

 

まずは少し断熱材の種類について説明させてください。

 

断熱材には大きく分けて、

・繊維系断熱材

・発砲プラスチック系断熱材

の2種類があります。

 

さらに、それぞれ3種類ずつの断熱材があります。

繊維系 発砲プラスチック系
グラスウール ポリスチレンフォーム
ロックウール 硬質ウレタンフォーム
セルロースファイバー フェノールフォーム

 

 

断熱材の熱伝導率

 

では、断熱材の性能はどうやって比較するのでしょうか?

 

一般的に比較するものさしの基準としてよく使われる、熱伝導率、というものがあります。

熱伝導率と言うのは熱の伝わりやすさを表していて、数字が低いほど熱が伝わりにくく断熱性能が高い、ということになります。

 

熱伝導率が低い順に表にまとめてみました。

断熱材の種類 熱伝導率
フェノールフォーム(1種) 0.022
ポリスチレンフォーム(3種) 0.028
吹き付け硬質ウレタンフォーム 0.034
セルローズファイバー 0.040
ロックウール 0.042
グラスウール 0.044

 

 

吹き付け硬質ウレタンフォームのメリット

 

上の表からも分かるように、吹き付け硬質ウレタンフォームは熱伝導率が飛びぬけて良いわけではありません。それでも吹き付け硬質ウレタンフォームが、最近の高気密高断熱をうたう住宅ではよく採用される理由はこちら。

 

 

隙間なく施工するのが、他の断熱材に比べて施工しやすいから。

 

 

ここが重要なんです。

グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材では、この『隙間なく施工する』ことがかなり難しいんですね。気密シートをしっかりと施工することが出来れば、繊維系断熱材でも気密性能をしっかりと担保できます。

 

ただ、北海道や東北のような寒冷地を除くと、気密シートを施工しているような建築会社や工務店はほとんどいません。つまり、職人さんもほとんどやったことがなくて、不慣れ・経験不足という状態です。

 

気密シートを施工しないままグラスウールを使うと、施工レベルによってかなり断熱性能は落ちてしまう。なので、吹き付けか硬質ウレタン(通称、発砲ウレタン)を採用する工務店さんが多いわけなんですね。

 

 

吹き付け硬質ウレタンフォームのデメリット

 

吹き付け硬質ウレタンフォームの一番のデメリットは、グラスウールに比べると値段が高くなること。

というか、グラスウールが圧倒的に安いんです!

ヤスヤマ

 

 

もう一つ、注意したいポイントがあります。それが、

 

厚み。

 

 

グラスウールだと厚さを指定すれば、その厚みのものが納品されます。でも、吹き付け硬質ウレタンフォームは現場で発砲させて吹き付けます。

 

厚みは、発砲した膨張具合で決まってしまいます。

 

 

設計上は、『壁断熱材の厚み100ミリ』となっていても、現場で発砲させると90ミリしかなかった……というケースだって考えられる訳なんですよね。

 

そこで重要なのが、

▶職人さんの経験・技術

▶現場監督の管理能力

になってくるのです。

 

専用の計測器で厚みの測定もできます。しっかりと管理できる体制がとられている会社かどうか、は計測器を持っているか?という質問だけでも垣間見れますよね?←イヤラシイ質問ですけど、ね。

 

 

家の断熱性能を正確に測ることができる気密測定

 

家の暖かさは断熱材の種類で決まるものではありません。

 

大切なのでもう一度言います。

家の暖かさは断熱材の種類で決まるものでは、決してありませんよ。

 

 

「断熱材が〇〇だから暖かい」のではなくて、「しっかりと隙間なく施工されている=気密処理されているから暖かい」のです。言ってしまえば、気密処理がしっかりできているなら断熱材は何でもいい。とすら言えてしまう。

 

今からあなたが家を建てられるなら、これを絶対に忘れないでください。

 

 

気密処理がしっかりされているのかを調べる唯一の方法が「気密測定」です。この気密測定をしなければ、その家の断熱性能を正確に測ることはできません。

 

 

ぜひ、工務店さんやハウスメーカーに気密測定をお願いしてみてください。測定費用は5~7万円ほどかかります。でも、十分に投資する価値のある部分です。

 

しっかりと気密処理できているかどうか、で光熱費もかなり変わってきますからね。ちゃっかりしっかり元は取れますよ!

気密測定値をC値と言いますが、目標は1.0以下で十分ですよ。

0.1とかマニアックな数値は目指さなくて大丈夫ですからね!

ヤスヤマ

 

 

 

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