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吹き抜けは地震に弱い!?気を付けるべき耐震ポイント

 
吹き抜けと地震の関係
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気持ちの良い開放的な空間が作りたい!

たくさんの光が入る広くて開放的な空間を作るために、吹き抜けを作りたい!

でも、吹き抜けを作ると家の耐震性って悪くなるんじゃ・・・?

 

こんな質問を受けることがよくあります。

ヤスヤマ

夢のマイホームで憧れの吹き抜け!ただ、耐震強度が気になる。。わかります!やはり日本は地震が多いので、家の耐震性は切っても切り離せない課題です。

 

吹き抜けにはメリットがある反面、気を付けなければいけないこともあるので、今回は吹き抜けを作る際に気を付けるべき耐震ポイントについて解説していきます。

 

 

近年の地震の被害について

 

近年頻発する大地震で、耐震基準を満たした住宅でさえも倒壊被害を受けている現状を目の当たりにして、心配になっている方もいらっしゃると思います。

 

さらに先の熊本地震では、耐震等級2の住宅でさえも倒壊被害を受けており、住宅の耐震性については、再び議論と見直しが始まっているのが現状です。

 

 

耐震等級って!?

 

耐震について調べたり、建築会社さんや建築士さんと相談する際に、「耐震等級」というキーワードがでてくると思います。

 

耐震等級は1・2・3と3段階あります。数値が大きくなるほど、地震に強いということを表しています。

▶耐震等級1は建築基準法で定められた規定の強さ

▶耐震等級2は建築基準法の規定の1.25倍の強さ

▶耐震等級3は建築基準法の規定の1.5倍の強さ

 

では、その規定の基準とは何でしょうか?

数百年に一度は遭遇することを考慮するべき大規模地震(震度6強~震度7程度を想定)に対して、倒壊・崩壊しない耐震性。
数十年に一度は遭遇する地震(震度5強程度を想定)に対して、損傷しない耐震性。

 

 

このような想定をしています。

ただ、建築基準法で規定されている耐震等級1の場合、床を考慮する必要がないので、吹き抜けがあっても無くても計算上は何も変わらないのです。

 

ですが誰が考えてみても、吹き抜けがある場合と無い場合の強度に違いがあるとわかりますよね!?

ヤスヤマ

やはり、吹き抜けの有り・無しは耐震性に関わる重要なポイントです。

では、どのように関わってくるのか?をもう少し詳しく説明していきます。

 

 

吹き抜けを作る場合のデメリット

 

☑冷暖房効率が悪い

☑音やにおいが上下階で伝わりやすい

☑2階の部屋面積が減る

☑照明の交換や窓拭きが困難

構造的な弱さ

吹き抜けのある間取りにすると、このようなデメリットがでてきますが、耐震性の点では特に注意が必要です。

 

床を作らない吹き抜け空間は、明るく広々した開放感が大きなメリットですが、この床がないという点が弱点になるのです。

ヤスヤマ

床は横方向の力を支える意味でとても大事な役割を果たしています。が、吹き抜けはその床がないために、吹き抜け周辺は横方向の力に弱いということになります。

 

地震の時、横からの力が加わると床面を伝って下階の壁から基礎へ力が流れていきます。ですが、吹き抜けがあることにより周りの床面に大きな負担をかけることになってしまうのです。わかりやすく言葉にすると、建物が柔らかく変形しやすいということです。

 

ただ、吹き抜けが絶対にダメだということではありません。

 

2階建てや3階建てには階段スペースがあります。この部分は、構造的に吹き抜けと同じ扱いになります。これは仕方が無い事ですし、吹き抜けがある場合も周辺部分の床の釘ピッチを狭くして本数を増やして強度を持たせたり、火打ち梁を入れたり補強方法はありますので安心してください。

 

▼火打ち梁はこちら▼

吹き抜けの火打ち梁

 

 

吹き抜け以外に耐震強度不足が考えられるケース

 

耐震性の事を考える際に、ただ吹き抜けが無ければ良いのかというとそうではありません。色んな角度から、検討して判断する事が必要になります。

 

吹き抜け以外にも、建物の強度不足が考えられるケースがあります。

 

・2階の壁の直下に1階の壁が無い
・1階より2階が飛び出している
・窓/ガラスの面積が大きい
・1階に駐車場等の大きな開口部がある
・凸凹が多い建物の形をしている

 

まずは、わが家の弱点を知り、適切な耐震補強をすることが必要だと思います。

 

 

気を付けるべき耐震ポイント

 

耐震等級は建築地の地域性も考慮しながら、上下階の耐力壁のバランスや建物の形状、仕上げ材の種類による荷重も検討する必要があるのです。

 

まずは耐力壁を増やす事が、家の耐震について考える際の初めの一歩です。

耐力壁が多い方が、一般的には地震に強い家になります。ただ、多ければ良いということではありません。

 

例えば、「南側は窓をたくさんつけたいから耐力壁を少なくして、北側に耐力壁をたくさん入れよう」等、極端にバランスが悪くなるとどれだけ耐力壁があっても意味がありません。

その他にも、基礎の設計や、柱、梁の材種や大きさによっても変わってきます。

 

また熊本地震の際に「直下率」というキーワードを多く目にしました。
新築でありながら、倒壊または損壊してしまった建物は、この直下率が低かっとされています。

 

直下率とは、1階部分と2階部分の柱や壁の位置が合致しているかどうかを示すものです。

広い部屋や吹き抜けは、直下率の点でバランスを欠くことが多くなりがちです。間取りを考える段階で無理をせず、強度を保ちながら検討を進めていくべきです。

 

それ以外にも、今は金物で耐震補強する方法も一般的になってきています。
耐震の事ばかり考えて、納得できる間取りができないことのないよう、うまく活用すると良いでしょう。

 

 

耐震性以外に吹き抜けで気を付ける事

 

照明

吹き抜けは天井が高く、照明を取り付ける位置が自然と高くなります。

一般的なダウンライトでは照度が不足しますので、間取りを計画する際には、照明の取り付け方法についても考えながら間取りを検討すると後から後悔せずにすみます。

 

暑さ/寒さ対策

 

開放感と明るさを確保するために、吹き抜け部分の上部をガラス張りにするケースもあると思います。壁よりガラスのほうが熱が逃げやすいため、暑さ対策と寒さ対策が必要です。

天井部分にシーリングファンを設置したり、サーキュレーターを検討したり、冷暖房効果を補填する設備器具を検討すると良いでしょう。

 

清掃

 

位置に窓がある場合、窓掃除についても考えておきたいですね。例えば、窓まで人が安全に移動できるキャットウォークをつけたり、バルコニーや屋上から窓へ近づける間取りを考えるのも良いと思います。

 

 

吹き抜けの耐震ポイント・・・まとめ

 

耐震強度をどこまで求めるのか?は、最終的に家を建てる人が決めることになります。

 

間取りが完成してから耐震等級を上げるのは難しいですし、設計上どんなに耐震性を担保したとしても、実際の施工の際にきちんと耐震性を確保できる工事をしてもらわなければ何の意味もありません。

 

やはり後悔せず、間取りもデザイン性も耐震性も良いとこどりするために、信頼できる建築会社を選び、あなた自身も関心をもって楽しみながら家づくりに関わっていくことをお勧めします。

 

 

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